元国税審判官の弁護士が教える、「確定申告会場ではこれに気をつけて!」(その3)

前回は、「確定申告会場での税務職員の誤指導を信じて間違った申告しても、過少申告加算税や延滞税は免除されないので、確定申告は自己責任で間違えないようにするしかない」というキビシいお話をしました。

ちなみに実際の事件を見ていると、前回お話しした「誤指導は過少申告加算税の免除の要件である『正当な理由』に当たる」という「事務運営指針」すら知らない弁護士や税理士も多く、たとえば、確定申告会場ではなく税務相談等で、ちゃんと資料も提出した上で本当に誤指導をされたのに、過少申告加算税や延滞税をおめおめと課されたままになっている事例も見られます。悲劇ですね‥(´口`*)ワァ

それから、私が国税審判官をしていた時もよくありましたが、今回のコラムでご紹介したような、「そもそも訴えても残念ながら認められる余地が無いような事件」に、税理士や弁護士が代理人について、再調査や審査請求をしている光景が多く見られます。

たしかに、私もかつて、申告会場での職員による誤指導を主張した再調査請求の事件で、税務署が、実際に誤指導があったかどうか分からなかったであろうに、自ら過少申告加算税と延滞税を取り消した事例を見たことがあります。

おそらくその事案は税額が少額だったので、このまま審査請求まで争うよりさっさと取り消した方が、トータルでコストがかからないという判断だったのだろうと推測しています(審査請求まで行くと、対応に職員や時間を割かなければいけないので。)。

ですので、再調査くらいであれば、納税者がご自身で(あるいは、代理人がつくとしても、ごく最低限の費用で)異議を申し立てるのは、言い方は悪いですが「ダメ元でごねてみる」という選択肢として、あり得ると思います。

しかし、明らかに勝てない訴えなのに、弁護士や税理士が代理人を受任し、決して安くない着手金を取ることは、依頼者にとって不利益になるので、不誠実であり、良くないと思います(乂`д´)アウト!

勝てようが負けようが、とにかく依頼してもらえれば着手金を稼ぐことはできますが、私は、きちんと法令や判例・裁決等を調査した上で、事件の見通しを的確に見立ててお伝えし、正しい情報や予測に基づいて依頼者の方が最良の選択をできるようにすることが、専門家にとって一番大切なことだと思っています

認められる可能性が低いことを十分説明した上で、それでも依頼者が希望される場合、事件を受任することはありますが(依頼者の方が大切にされるのは、お金の損得勘定だけでは必ずしもありませんから、それを尊重することは問題ありません。)、そうでないならば、本来こういう事案は、相談段階で「残念ながら、費用がムダになる可能性が高い」という結果の見通しを正しく説明し、ご理解いただくよう努めるべきです。

こうしたケースもありますので、「私が税務訴訟に特化した理由をぶっちゃける!」の連載コラムでも書きましたが、税金事件は「弁護士や税理士に頼めば、安心・・・ε-(´∀`*)ホッ」ではありません。本当に税法と課税実務を理解している専門家を選ぶことが重要だということを、皆さんご自身のために忘れないでくださいね。

というわけで、今年(令和2年分)の確定申告期間は、2月16日から4月15日までです。皆さん、忘れないように申告しましょう!

コロナ渦なので、オンライン申請や郵送申請ができる方は、積極的にご活用を。

「いや、私はやっぱり申告会場に行きたい!」という人(…よく分かります。私も「オンライン〇〇」が苦手なアナログ人間で、税理士の妹に「おばあちゃん」と呼ばれています(;´д`)トホホ…)は、今年はコロナ対策として入場整理券が必要なので、当日会場で番号札を受け取るか、あるいは当日待ちたくない人はLINEアプリから事前発行してください。

(しかし、アプリって…。高齢者の方に不親切な気が…。)。

最後に、いま領収書等は手元にあるが、帳簿や経理がめちゃくちゃで、申告期のこの期に及んで「もう…どうしたらいいか分からないっ( ;∀;)」という人!!

申告期限が迫っているので、「いかなるケースだろうが、当事務所で確定申告を代理します」という確約はできませんが、3月中であれば、うちの事務所にご相談くだされば、当事務所所属税理士である妹と私で、なんとかするための対策と作戦は考えます。一刻も早く相談してください。

それでは、皆さんの今年の確定申告が無事に終わられることを祈念いたしまして、今回のコラムを締めくくらせていただきます。

課税処分や税務調査等で納得がいかないことがあれば、当事務所にお気軽にご相談くださいね!

弁護士 福永智子