元国税審判官の弁護士が教える、「確定申告会場ではこれに気をつけて!」(その2)

前回は、「確定申告会場での税務署職員による誤指導は、残念ながら普通は証拠が無いので、過少申告加算税と延滞税の免除は認められない」という悲しいお話をしました。

では、もし証拠があったらどうでしょうか?

答えは・・・

仮に証拠があったとしても、過少申告加算税の免除の要件である「正当な理由」に当たらないと判断される可能性が、限りなく高いです。

(同様に、延滞税については「人為による異常な災害又は事故」に当たらない、と判断されます。以下、延滞税の説明は割愛。)

沢山の人でごった返す確定申告会場で、職員が個々の納税者の詳細な資料を見ることは、普通は不可能だし、考えづらいので、前回お話しした「事務運営指針」で言えば、「納税者から十分な資料の提出等があったにもかかわらず」という要件を満たさないと判断されるからです。(৹˃ᗝ˂৹)ザンネン・・・

私も国税審判官時代に、何度か確定申告会場の見学に行かせてもらいました。そこは、舞台裏も含めて、てんやわんやの大忙し。そう、確定申告期は、税務職員さんたちにとっても、いわば1年で最大の「お祭り」なのです!

人手が足りないので、所得税が専門ではない職員(法人税の担当者など)も手伝いに借りだされており、それでも足りないので、なんと大学生のバイトさんまで大勢雇われていますΣ(´Д`lll)エッ

とても一件、一件、慎重に見てあげられるような状況ではありません。所得税についてよく分かっていないスタッフもいれば、忙しくて適当に答えてしまうこともあるでしょう。熟練の職員であっても、ミステイクで誤指導をしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、誰もその責任はとれません

というわけで、結論。

・・・確定申告は自己責任っっっ!!!!

「たとえどこかで誰かに間違ったことを教えられても、最後は自分で責任を持って判断してよ」というのが日本の申告納税制度だということを、肝に銘じておきましょう。

したがって、確定申告会場で何か疑問が出たら、(その場で職員に聞いて解決する程度のことならいいのですが、そうでないなら、)焦ってその場で申告を済ませず、一旦持ち帰り、税理士さんか、あるいは私に確認してください

(以前もお話しましたが、普通の弁護士は税法にも税務会計にも全然詳しくないド素人なので、そこでもまた「誤指導」をされかねません。弁護士に聞く場合、相手をよく選んでください。)。

そして、「一旦、持ち帰る」選択肢が持てるよう、申告は期限ギリギリではなく、時間の余裕をもって行くようにしましょう

ちなみに、税理士や弁護士の誤指導で過少申告をした場合でも、基本的に、過少申告加算税免除の「正当な理由」には当たりません。あとは弁護士・税理士相手の損害賠償請求で解決することになります(そちらでも、「誤指導の事実」を証明する必要がありますが。)。

その3につづく・・・