私が税務訴訟に特化した理由をぶっちゃける!〜その⑤〜

さて、前回から、数字につよい弁護士 福永智子編がはじまりましたが、皆様お楽しみいただいていますでしょうか?今日は、時をさかのぼり、私が税務訴訟に必要なスキルを習得するまでのヒストリーをご紹介します。

<理由 その5:とにかくがんばる福永 -半沢ブーム真っただ中の金融検査で財務諸表と格闘編->

人権派弁護士を志した私は、町弁として弁護士のキャリアをスタートしましたが、弁護士人口が毎年倍々になるのを見て、「これからは他の誰にもマネできない専門性が無いと、生き残れないわっ(((( ;゚Д゚)))」と危機感を持っていました。

そんな時、東京青山の大手事務所の税理士先生から何度も言われた言葉が頭をよぎりました。「俺、よく弁護士と仕事するけど、弁護士って数字が全然ダメで、税務や会計の話が通じないからホントに困ってんだよ。福永さんはゼッタイ数字ができる弁護士になれよ。

一流税理士である先生の仕事相手は、四大事務所の一流ブルジョア弁護士。都会の最先端でもそんな状況なら、確実にニーズがあるということ。かくして私は、「ほとんどの弁護士が苦手な数字とお金の分野を専門にして生き残ろう(人権派はどこへ…^_^;)」と、まずは任期付きで、財務省中国局の金融証券検査官部門で金融検査に従事する国家公務員に転身しました。そう、あのドラマ半沢直樹に出てくる黒崎検査官の仕事ですね。

そこは、弁護士と言えど法律(コンプライアンス)分野を検査するだけでは許されず、金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、農協など)の融資先である、企業や事業者の財務内容・経営状態を見て、「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」などの債務者区分や格付けを査定する業務が必須でした。

入局当時の私は決算書も読めず、涙ながらに簿記3級から始めました。「借方と貸方って誰ですか?」と聞いてしまうくらいだったイノセンス福永は、猛勉強のち猛勉強!とにかくがんばる福永になり、ついに、決算書を読める福永に成長したのでした!

それからは、来る日も来る日もバランスシートを見続け、現場では金融機関の役員や営業店・本部職員の方々と、時に怒鳴りあい、時に意見を戦わせる日々!この頃の私は、半沢直樹に負けずとも劣らないドラマティックな真剣勝負を繰り広げていたのでした。

そんな日々を過ごしながら、女盛り真っ只中といった時期を、トランク一つで、ホテル暮らしをしながら、何年も検査の現場に出続け、「中国地方の金融機関は完全制覇も目前」というほど立ち入り、中国地方に存在する企業の財務諸表は「もう全部見たんじゃないか?」というほど査定しまくりました。ええそれは、かなりの激務でした。(まったく!財務局は鬼です!私が独身なのを良いことにっっ)

おかげで、建設業の苦しい従業員調達事情から、ファッションホテル業界の趣向を凝らした集客努力まで、日本のあらゆる業界の実情に詳しくなった上、「資金繰り表を持ってきて!黒字倒産するかも。」「粉飾発見!」など、数字を見ただけでひとしきり会社の健康状態が分かるまでになりました。(育ててくれた検査官の皆さま、本当にありがとう。)

かくして、金融法(銀行法、金融商品取引法、保険業法、金融犯罪関連の法律など)や組織コンプライアンス、そして「財務会計」の知識・経験を習得し、ついでに日本中の金融機関と企業の機密情報を大量に握ったところで(もちろん誰にも漏らしませんよ!)、国税庁の特別機関である国税不服審判所からお声かけ頂き、次は裁判官らと共に税金事件をジャッジする「国税審判官」に転身したのでした。

その⑥につづく・・・