私が税務訴訟に特化した理由をぶっちゃける!〜その④〜

これまでのコラムで、たとえ裁判官であっても、きちんと租税法を学んだことがなければ、一般の民事訴訟と同じ感覚で租税法の世界に立ち入ってトンデモ理論をかましてしまうことがある、それだけ租税法が特殊な世界だということが、お分かりいただけたでしょう。

それでは今日から、おそらく皆様が抱いておられるであろう、「どうしてこの女弁護士は、税務訴訟について上から目線のドヤ顔で、好き勝手言っているのか?」という疑問に答えていきたいと思います。

<理由 その4:私は裁判官の思考回路を知っている!てゆうか、審判官時代に裁判官と二人三脚状態でジャッジしてました!>

これまでのコラムをお読みの皆様はお分かりのように、私は、国税審判所の審判官でした。そして、国税審判官時代に大阪審判所に配属された(そして、プロでも判断に迷う、大規模法人や国際課税事件など「複雑困難事件」の担当だった)というめぐり合わせにより、現場の裁判官や税務争訟の実態を知ることとなったのです。

裁判官(しかも複数)が現場に配属され所長も務める審判所は、全国でもなぜか大阪だけで、その他の審判所には裁判官がいません。あとは、普段は関わることのない霞が関の審判所長(全国の審判所のトップ)も裁判官なのですが、複雑困難事件の場合、この本部の審判所長からもOKをもらえないと裁決が出せないので、私はずっと、この本部の所長サイドともやり取りせねばなりませんでした。

苦労が多くも今思えばとてもありがたい環境の中で、3年もの間、そうそうたる経歴を持つ裁判官の方々と日々議論し、説得し、自分が起案を書いたり、裁判官の起案を読んだりの日々でした(もちろん、代理人である弁護士の先生方の弁護活動も拝見しました。)。そして、税務争訟濃度100%な毎日を過ごす中で、裁判官の頭の中を知るに至ったのです!そう、税務訴訟に勝つために必要な、判断する側の思考と実態を知ることができたのです!

この国税審判所での経験は、私の一番の財産と強みとなっております。

そして、現場の裁判官すら税務争訟を十分に分かっていない人が多いのだから、言わずもがな、地方の町弁(マチ弁)が分かっているはずがない!だから私が税金を専門とする弁護士(タックス・ローヤー)になって、中国地方に戻らねば!と思ったわけです。もし、ヘタな弁護やおかしな判決がなされれば、損失を被るのは裁判官でも弁護士でもなく、課税処分を受ける納税者の方々なのですから。こうして、私がなんとかせねば!と燃える情熱を持った弁護士 福永智子がここ広島の地に舞い戻ってきたのです!

その⑤につづく・・・